中医臨床学術協会(ASCCM)設立にあたって
日本の医療は、明治維新以来、漢方や鍼灸などの伝統医術から現代医学に大きく変化し、手術や抗生物質などの治療によって現代医学への貢献は計り知れない。
しかしこのように発展した現代医学でもまだ完全に対応できないことも事実であり、「温故知新」である伝統医術が見直されてきている。
例えば漢方薬には西洋薬にない温める薬、元気をだす薬などの「補剤」があり、慢性疾患の治療に欠かすことができない。もちろん、かぜや痛みなどの急性疾患にも対応できるすぐれた「瀉剤」の処方も多い。また漢方薬は「瀉剤」と「補剤」の両面で構成されていることが多く、体のバランスを整える調整作用に優れている。そのため、今後、現代医療が大きく進展しても漢方は欠かすことができない医療となることは間違いないであろう。
414年に中国から日本に中国伝統医学(中医学)が伝来して以来、日本では独自の漢方(日本漢方)として発展してきた。日本では漢方といえば日本漢方が主流で、臨床の現場でも普及されている。しかし、日本漢方は症状だけで漢方処方を決めている「方証相対」であり、いわば「病名漢方」になり形骸化している。
中医学の神髄とは患者の症状はもちろん、寒熱の判定、虚実の判定、気血津液の判定、舌診や脈診などの多角的観点から「証」を決めて、薬を処方する「弁証論治」を主としている。
これは鍼灸治療にも言えることで、この症状にはこのツボと安易に取穴するのではなく、きちんと「弁証論治」し治療穴を決定しなくてはならない。
隣国の中国や韓国では、中医学や韓方の教育は6年じっくりかけて勉強して国家試験免許を与えているが、日本の医師や薬剤師は大学での漢方教育はほんの数単位の勉強で漢方薬を取り扱いできることになっている。また鍼灸師は隣国と比べると3年間という短い教育期間のため、圧倒的に中医学を学ぶ時間が少ないと思われる。その結果、日本の臨床の現場では「病名処方」的な使われ方が多く、中医学本来の治療効果を発揮できていないことは非常に残念であり、中医学の教育やそのサポート体制を確立することは急務であり必然である。
そこで、本協会はその役割を担うべき中医学の教育とその認定試験に向けた事業を展開するに至った。多くの医療関係者にこの趣旨をご理解をいただき、日本の医療をサポートしていただくことを切に希望する。
代表理事 吉村 吉博
役職 | 名前 | |
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代表 理事 |
吉村 吉博 | 日本統合医療学園理事長/漢方吉村薬局・漢方健康堂顧問 / 前日本薬科大学漢方薬学科教授 / 前星薬科大学助教授 / 東京農業大学栄養科学科非常勤講師 / 臨床漢方薬剤師 / 薬学博士 |
理事 | 関口 善太 | 中醫堂代表/後藤学園中医学研究所客員研究員/日本統合医療学園 臨床漢方専攻科講師/薬剤師/鍼灸学修士/鍼灸師 |
理事 | 山野 朋英 | ベストライフクリエイト代表/鍼灸師/登録販売者/国際中医師 |
理事 | 石川 達也 | 日本統合医療学園教務部長/東京医療秘書福祉専門学校/大宮医療秘書専門学校/篠原保育医療情報専門学校/三幸医療カレッジ非常勤講師/登録販売者 |
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